毎日が告別式

人生どん詰まり元芸大生のブログ

いとこの子供がかわいい

子供が嫌いだ。

なんか手がべたべたしてるし奇声を上げるし暴れるしうるさくて汚いから嫌いだ。

スーパーで走り回る子供。銭湯で叫ぶ子供。いや正確にはそんな子供の親が嫌いなんですがね。本当は子供が嫌いなんじゃなくて躾をされていない子供の親が嫌いなんですが、坊主にくけりゃ袈裟までって言葉があるように、今ではすべての子供が若干苦手だったりします。

だから自分が子供を持つとか考えられなかったんですよね。かわいいと思えなかったらどうしようって。自分の子供なら別なのかもしれないけど、そんなの生んでみなきゃわからないし、今までの人生で子供をかわいいと思ったことなんか殆どないから、この先もないんじゃないかって。

 

しかしですよ、今年の正月ですよ。

子供かわいいと思えたんですよ。

去年の年末にね、叔母が従兄の子2人を連れて遊びに来まして。

その時家には私以外にいなかったので、私と、叔母と、いとこの子(高校生と小学1年生)の4人です。いそいそとお茶を出したり座布団を引いたりしました。

 

叔母はそれはもう良く喋るんですよ。沈黙が怖いならとにかく叔母を連れてこいって感じで、叔母さえいたら沈黙が吹き飛ぶんですよ。もうラジオですよ。ほっといても永続的にしゃべり続けるんですよ。

んで、遊びに来ると言ってもそれは叔母にとってであって、いとこの子二人は連れてこられただけなんですね。テーブルを囲んで、叔母と私が喋っていて、いとこの子二人はなんとなく座っているだけ。上の子はスマホなんかで暇をつぶせるからいいんですが、下の子は暇そうなんですよね。で、相手をしてあげたいけど叔母の話も聞かなきゃだからどうすればいいかわからなくって。

そこでね、アマゾンで買ったばかりのタブレットの登場ですよ。良く分からないけど最近の子供は妖怪ウォッチとか好きなんだよね? という安直な考えから「妖怪ウォッチぷにぷに」をインストールしまして、いとこの子(以下A君)に渡しました。

 

叔母の話に相槌を打ちながら妖怪ウォッチを一緒にやります。お姉さんは多少妖怪ウォッチを知っていたんですが、知らないふりをした方がいいかなぁと思ってA君に質問します。そしたらAくんが教えてくれます。えっかわいい。

「この妖怪は古典妖怪」とかって教えてくれるんですね。「古典妖怪ぐらい知っておかないと」とか言うんですね。生意気かな? しかしかわいい。

何か知らんけど一緒に妖怪ウォッチをしていたらだんだんとAくんがかわいく見えてくるんですよね。なんだこれは。そんで最初は人見知りをしていたけど、だんだんしゃべってくれるようになるんですね。すごいファービーみたい。

んで帰り際には手をふってくれたりするんですよ!!!ねぇねとか言われるんですよ!!!

 

はいねぇねです!!!はい!!!!!!!(気持ち悪い)

いや「ねえねえ」って話しかけられてるだけだとは思うんだけれどもね。

もうね、タブレットべったべたですよ。A君ちょくちょく唇さわるからタブレットベッタベタですよ。本来の私ならもう怒りに打ち震えていたんでしょうけれども、もうね、いくらでも好きなだけベタベタにしていいよって感じで。(あとでアルコール消毒はした)

 

その数日後。今度は叔母の家に私から行きました。

そこには叔父と、叔母と、Aくんがいました。

Aくんはまだ7歳だと言うのにパソコンの前を陣取ってゲーム実況を見ていました。さ、最近の子供は進んでいるんだね……。

そしてAくんとゲームをすることになりました。手垢と唾液でべったべたの3DSを貸してくれました。以前の私なら顔を引きつらせていたでしょうけれども笑顔で受け取ります(後で手は洗った)ソフトはマリオメーカーでした。

 

私はゲームがとても苦手です。マリオメーカーとかいきなり渡されてもまったくできません。Aくんがせっせと教えてくれるんですがお姉さんにはさっぱりわからない。

しかしAくんの優しさを無下にすることもできないので、頑張ってゲームに挑みます。そしたらなぜかA君が急に興奮しだして、

「ちょっとまってて!ゲーム全部持って来るから!!!!」

と言っていなくなりました。叔母が「まぁまぁ鼻息荒くして」とほほ笑んでいます。

そしてA君が大量のゲームを床に(なぜか直線上に)並べ始めました。

「好きなのやっていいよ!!!!!」

 

これね、たぶんなんですけどね、私の推理なんですけどね、

Aくんって三人兄弟の一番下なんですよ。上に二人もお兄ちゃんがいるんですね。だから誰かに何かを教えるというシチュエーションに感動したのかなぁと思います。

 

ゲームはいろいろありました。マリオカートとか太鼓の達人とかカービィとか。マリオカートは割と得意な方でして。あと太鼓の達人も。そしたらAくんおもしろくなさそうなんですよね。「好きなのやっていいよ!!」と言っておきながら「マリオカートだけは絶対ダメ!」とか言うんですね。わかる、わかるよ、誰かに何かを教えると言うシチュエーションが大事なんだよねわかるよ。

 

 

とてもかわいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えっ、オチなんてないよ。

こんど帰った時、また一緒に遊んでくれるといいなぁ。