毎日が告別式

人生どん詰まり元芸大生のブログ

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

ファンタビ感想。

ネタバレありです。

 

 

 

 

 

ハリー・ポッターシリーズは、4作目以降の陰鬱な雰囲気が苦手で、この映画も似たような感じなのかなと思っていたけど、全くそんなことはなかった。とてもかわいい映画だった。上映が始まってからしばらくの間、白黒の町並みが続いて、少し息苦しいなと思っていたんだけど、ニュートのトランクの中は驚くほど色彩に溢れていて感動的だった。灰色のマグルの世界と、トランクの中のカラフルな魔法世界との対比。そりゃ普段缶詰工場で働いているマグルは感動しちゃうよな……。


 ジェイコブがいい。魔法世界と初めて対峙するマグル。もしこれが邦画なら、彼のポジションはイケメン俳優やら今流行りのアイドルなんかが奪うんだろうな……。デブなんだけど汚ならしくなくて、愛嬌がある。ゴールドスタイン宅で料理を振る舞われるシーンとかもう夢のよう。クイーニーじゃないけど、彼の感情が手に取るようにわかる。とってもかわいい。


 ニュートがハッフルパフ出身というのがまたいい。セドリックがいたとは言え、これまでのハリポタでは空気だったからね……。USJではこれから黄色いローブが売れるだろうと思います。


 これまでのハリー・ポッターシリーズを見たことがない人にも楽しめるように出来ていた。そのせいか、あまりハリポタらしくはなかったかな。原作では、魔法は万能じゃなくて、ちゃんとルールがある。できないことも当然ある。でも今作では魔法=万能なもの、と描かれていたように思えて少し違和感。まぁジェイコブっていうマグルの存在があるから、彼の目を通して見る魔法世界ということでわざとああいう作りにしたんだろうなとは思うんだけども。


 ジェイコブは絶対ラストで記憶を消されるんだろうなと思っていたけど、消さないでくれ消さないでくれと祈ってもいた。結局消されてしまったけれど、あのラストには救いがあった。記憶は消えても、一緒に過ごした時間は消えなかったわけで。あ、別れのシーンは少しくどかったです。


 とてもよい映画でした。ハリポタ本編より好きかもしれない。ハリポタは後半になるにつれて原作のストーリーを追うことにいっぱいいっぱいになって魔法世界のディティールがいい加減になっていた気がしたよ。
 本当に見に行ってよかったです。