毎日が告別式

人生どん詰まり元芸大生のブログ

マイナス思考である

マイナス思考である。

とにかくマイナス思考である。

 

 例えば同じクラスの男子に悪口を言われたとき。周りの人々は「そんなの無視すりゃいいじゃん」とか「気にしなくていい」とか「お前が傷つく必要はない」とか言ってくる。いや、言ってくれる。私のためにそう言ってくれる。

 

 しかし悪口を言われたらムカつくので絶対反撃するし、気になるし、傷つく。無慈悲な男子たちは反撃してくる私が面白くてまたちょっかいをかけてくる。そして私はその度反撃し、気にし、傷つき、枕を濡らす。お察しの通り生きづらい。毎日が地獄だ。毎日がお通夜だ。毎日が告別式だ。しかし真剣に疑問なのだが、「傷つく必要はない」とか言ってくる、いや言ってくれ、言ってくださる方は、人から何か言われたときに「おっしゃ今から傷ついたろ!」とか思うのだろうか。思うわけがない。自分の意思と関係なく心には刃物が突き刺さるのだ。こんなの気にする必要はないとわかっていても、心には刃物が突き刺さるのだ。だから辛いのだ悲しいのだ。

 

 マイナス思考である。

 

 こんな性格のわりに友達はそこそこいる。高校生の時、部活の嫌な先輩に「みりんさん友達いないでしょー」とか言われた時、当時の顧問が「いや、たぶんみりんさんはこの部で一番友達がいるよ……」とぼそっと言った。言って4人しかいない部だったが。  またある時、私が落ち込んでいると、とある劇団の演出家が「お前には差し入れ持ってきてくれる友達がいるじゃないか」とか、私は一言も「友達がいない」などと言っていないのに励ますつもりでそういうことを言ってくる。つまり友達がいないと思われている。実に不快である。

 

 とにかくありがたいことに友達には恵まれている。嫌なことがあったとき相談に乗ってくれる友達がいる。話せばすっきりする。気が楽になる。しかしマイナス思考なので、家に帰り誰もいない音のしない部屋に入った瞬間孤独が点火する。青紫色の火で「嫌なこと」をぐつぐつと煮詰める。鬱屈した感情を煮詰める。優しい友人たちのおかげで、確実に朝よりはマシになっているのだが、夜ごとにこんなことを繰り返しているから、なかなか精神が回復しない。前向きな人間なら一日で回復するであろう傷も、私にかかれば一回破傷風になって治るのに1か月くらいかかる。お察しの通り生きづらい。真剣に生きづらい。もう生きているだけで偉いと思うからとにかく無茶苦茶に褒めてほしい甘やかしてほしい。

 

 マイナス思考である。

 

 昔、とある演出家に「マイナスを語るな」と言われたことがある。「お前はマイナスを語ることによって人とつながろうとしている」とマジ切れされたことがある。それは大いなる誤解なのだが、すごい剣幕で怒鳴りつけてくる中年男性を目の前に委縮してしまった私は泣きながら「はい……はい……」とご高説を賜ったのだが、それはもう大いなる誤解である。私がマイナスを語るのは、人から傷つけられたくないからだ。例えば、人から「ブス」と言われるのと、自分で「私ブスだから」というのとではダメージが違う。人から傷つける前に自傷することによって私は私を守っていたのだ。しかしこれははたから見ていて気分の良いものではないのだな、と、(理由は外れていたものの)この怒鳴り散らす中年男性のお陰で気が付けたので、今はできるだけ言語化しないようにしている。(この場合のマイナスとは、自分を卑下すること。愚痴とかとはまた別)

 

 マイナス思考である。

 

 いやもうこのマイナス思考であると反復するのがそもそも良くないというのはわかっている。わかっているのだが、どうしようもない。私はマイナス思考な人間なのだ。ここ数か月嫌なことが立て続けにあって(過去記事読んでね)いろんな人に励ましてもらったり相談に乗ってもらったりしたのだが、私はいまだに出口の見えないトンネルの中にいる。かつては問題を解決しようと自分なりに奔走したのだが、もう走る気力がない。諸悪の根源と対話を試みたのだが「今ちょっとそういう気分じゃない」とドア越しに言われて完全に心が折れてしまった。私から謝りたいこともたくさんあった。しかしもう心が折れてしまった。やはり奴は己の快不快以外には一切関心がないのだ。

 

 部屋から出ないようにしている。奴とエンカウントする確率を減らすために。菓子パンやら何やらを買い込んで、保温ポットにお湯をたくさんいれて、部屋からできるだけでなくていいようにしている。

 家にいたくない。しかし緊急事態宣言の関係でバイトがほとんどない。演劇もできない。釣り堀に通っているのだが、1時間650円なのでそんなに頻繁には行けない。少しでも節約しないといけない。先日、バイトがない日、家には奴がいて、とりあえず化粧をして外に出てみたものの、ああ私は本当に行くところがないんだなと絶望的な気持ちになった。絶望的な気持ちで釣り堀に行った。たぶん絶望的な顔をしていたんだと思う。店主が釣りのコツを教えてくれた。たぶん釣れなくて絶望していたと思われたんだと思う。まあぶっちゃけそれもある。釣りのコツを実演で教えてくれた。たぶん次に行ったときはめちゃくちゃ釣れると思う。よかった。

 

 よかった……?

 そうだ。よかった探しをしよう。呪詛のように「自分はマイナス思考だ」などと言わずによかった探しをしよう。人間は、いや人間はとか言ったら主語がでかいとか言われそうだから私は、あくまで私は、よかったことより嫌だったことを数えてしまう人間である。そうだよかった探しをしよう!

 

 釣りのコツを教えてもらえてよかった! 友達とガスト行けてよかった! 20年も付き合ってくれる友達がいてよかった! 一緒に芝居できる友達がいてよかった! ケーキ上手に焼けてよかった! 豚肉のハーブロースト上手く縛れてよかった! 母ちゃんが食べ物いっぱい送ってきてくれてよかった! フグ(ペット)が元気でよかった! 金魚が病気になったけど生きててよかった! 大豆もらえてよかった! 後輩の一人芝居観られてよかった! 一人じゃなくてよかった! あれ……? いくとこないけど一人ではないので勝ち組では……? インスタフォロワーふえてよかった! ハンドメイド上手になってよかった! あっ私のハンドメイド見て!

 

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よかった!! がま口上手にできてよかった! 2個売れてよかった!

 

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これ渾身のがま口ポーチね!! はい宣伝!!!!!!結局宣伝です!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

虚無