毎日が告別式

人生どん詰まり元芸大生のブログ

正月の話

父がうざい。

 

わたしの父は、船乗りだった。

つい数ヶ月前まで船乗りだった。

しかし船内の階段から転落し、入院し、退職して、今は家にいる。

 

父は大酒飲みだ。家にいるときは、毎日酒を飲んでひっくり返っている。

 

父の話 - 毎日が告別式

 

そんな父が、入院した。たまたま兵庫にいたらしく、近くの病院に入院した。兵庫なら近い。見舞いに行くと、父は頭を怪我していて、ぼけていた。聞けば、高次脳機能障害になってしまったという。ついさっきのことが覚えていられないらしく、何度も同じ話をする。病院から脱走しようとする。禁止を言い渡されたのに酒やタバコに手を出そうとする。

 

そんなクソ父を看病すべく、わたしは大阪から二時間かけて父の病室に向かった。夕方、父が病院から脱走したときは母から電話がかかってきて、病院に行ってくれといわれた。

家族親族で交代ごうたいで看病した。とても大変だった。

 

そんな父も、今ではすっかりよくなった。かなり体力は落ちたが、記憶力はだいぶ良くなった。家では、こうじ君と呼ばれている。高次脳機能障害、だからこうじ君。何かあるたび、「お父さんはこうじくんだからね」と我が家では笑うのだ。

 

父の体力は、かなり衰えていた。新年、初詣にに行ったのだが、父は階段を登れなかった。階段にたどり着くまでにリタイヤしてしまった。

 

その日の夜、家族でテレビを見ていた。父と娘の話だ。父は車椅子生活で、ほとんど歩けない。しかし娘とバージンロードを歩くために、懸命にリハビリして一緒にバージンロードを歩く。感動の内容だ。

 

母は泣いていた。娘のために懸命にリハビリするテレビの中の父親の姿を見て泣いていた。非常に感動的な空気が流れていた。

 

なんか面白くなかったので

 

 

 

 

「一方その頃我が家では」

 

 

 

 

と言ったら、母がひっくり返って笑い始めた。せっかく感動してたのにー!と。「バージンロードは叔父さんと歩くけんええよ」と言ったら更に笑い始めた。父は気まずそうにしていた。

 

 

 

 

 

 

 

ざまあみやがれ!

 

 

 

 

以下、正月の我が家での楽しい会話集。(ツイッターに書いてた)

 

帰省初日

母上「帰ってきたって叔母ちゃんに電話せんかい」
わい「あとで」
母上「母さんが電話するわ」
わい「えっ、ちょっ、待って、それしたら叔母ちゃん家に手土産持って三時間ほどお邪魔するというイベントが発生するから待って」
母上「(電話する)」
わい「ああー」

いやぜんぜんいく気やってんけどタイミングとかあるやん! 今朝土砂降りだったし!

 

 

わい「納豆貰っていい?」
父上「お前こんな物好きなんか。宇宙人やな」
わい「いやオトンも食べてるやん」
父上「母ちゃんも宇宙人やからな。わしは母ちゃんは人間やと思ったから結婚したのに」
わい「いやオトンも納豆食べてるやん」
父上「納豆は健康に良いだの何だのと洗脳されてなぁ」

 

 

わい「納豆に梅干し入れたら美味しいかな」
父上「(梅干し入れて食べる)……少しだけ金星に近づく」
わい「ちょっと何言ってるかわからないですね」

 

母「仕事行くから食器の片付けよろしく」
父上「えっえっえっ(私を指差しながら)」
私「私寝るけん!実は昨日一睡もしてないんよね!いやぁ寝て起きたら食器が片付いている、こんな素敵なお父さんおらんね!」
父「えっえっえっ(わろてる)」
母「明日からはあんたがやるんよ」
私「はい」

 

 

私「500円返して」
父「返してほしい?」
私「トイチやで」
父「500円やな! 待ってや……100円、200円、」
私「いまなんどきだい?」
父「300円、400円、」
私「いまなんどきだい?」
父「500円!」
私「消費税の分は?」
父「いるん?」

数分後

父「あっ机の上に500円ある!」
私「それ私のや!」
父「なんて?」
私「イッツマイン!」
父「なんて?」
私「イッツマイン!」
父「プリーズ!」
私「ノー!」
父「オーマイガー!」

この英語力のなさよ。

 

 

父「焼き鳥食べんかいよ」
私「食べた」
父「父さんの分は何本残してくれた?」
私「全部食べた」
父「全部食べたんー!!」
私「残したら悪いと思ってー!!」
父「偉いねー!!」
私「せやろー!!」
父「いっぱい食べて大きくならんかいよー!!」
私「うんー!!」

ごめんやん

 

 

私「博物館でリアル脱出ゲームやりよんだって」
母「なにそれ」
私「知らん人と部屋に閉じ込められて、頑張って脱出するゲーム」
父「なんで知らん人と閉じ込められるか知ってるか?」
私「知らん」
父「好きな人とだったら出てこなくなるから」
私「すげえ!!!座布団一枚!!!」

 

 

母「じいちゃんは腕のいい大工だったんやで」
父「伊予の左甚五郎と呼ばれたんやで(嘘)」
私「左甚五郎とか今の子は知らんやろ。あんた知っとる?」
弟「知らん」
父「左甚五郎とは……右甚五郎の弟や」
母「しょーもな!」

 

 

テレビでマラソンのことやってて

弟「何故この人たちは走るんだろう」
私「………………前世がメロスだから」
母「メロスwwwww」

私「うけたー!」

 

 

私「音立てて食べるのやめてや!」
父「ええー?」
母「あんた自分は子供に食べ方が汚いだの何だのと怒鳴りよった癖に」
私「つまり私にはオトンをどやす権利があるんやで!」
母「自分が怒鳴りよったから言われるんやで。母さんは言ってないからね。だから母さんにも言わんとってね」
私「えー」

父「音立てて食べてないよ」
私「立てとるやん!」
弟「父さん、認めることも大切やで。人は何かを認めることによって先に進めるんやで」
私「そして進むことが出来なくなった人を老害と言う」
父「(^o^)」

私「(弟に)産んでない長男って言葉があって、世の中には自分の嫁を母親のように使う男がおるけど、あんたはそうなったらあかんよ」
弟「ならんよ。目の前に悪い見本がおるし」
父「www」
私「あえて悪い見本になる、これは父さんの教育的指導なんかな」
父「せやで!」
弟「いや母さんが可哀想」

 

 

私「私が彼氏連れてきたらやっぱりちゃぶ台返しするん?」
父「せんけど、ほんまにこれでいいんですか?返品は効きませんよ?って言う」
私「ひどない?」

 

叔父「結婚なんかせんでいい!!」

叔父さん好き

 

 

私「こしあんの餅を食わないと年が明けん」
母「つぶあんなら売ってる」
私「あれなんかゴミ入ってるから嫌」
母「こしあんも売ってた」
私「こんな工場で作られたようなちゃんとしたのは違う。私が食べたいのは、やっすいパックに入ったどこのおばちゃんが作ったんかわからんようなつきたての餅」

母「わからん」

 

 

弟「書院造って何?」
私「えっ和室の形式みたいな…?知らんけど。なんで?」
弟「よっこら書院造っていうギャグを思いついたんだけど、書院造の全貌をつかんでないと出来ん」

私「なんやねんお前」

 

 

父「順調に行けば明日は木曜日やなぁ」

順調に行かなくても木曜日

 

 

私「……」
母「なによ」
私「一体前世でどんな過ちを犯したらそんな腹になるんかなぁって」
父「あやまちwwwwwwwwww」
私「その腹にはカルマが溜まってるんやね」
父「カルマwwwwwwwwww」

オカンわしが物心ついた時からずっとダイエットしてる

 

 

 

 

おわります。順調に行けば明日は火曜日ですね。