毎日が告別式

人生どん詰まり元芸大生のブログ

小劇場お役立ちBOTはなぜこんなにも不愉快なのか。

突然だが、私はかれこれ8年演劇をやっている。まだたったの8年。多分10年後も20年後もやっていると思う。

 

高校演劇を3年。その後芸大に進学。演劇とは全く関係のない学科だったのだが、自分が演劇をしていないという現実に耐え切れず、1年目の冬に劇団を旗揚げ。しかしそれだけでは飽き足らず、大学2年目の冬に演劇の学科への転科を決意。

とにかくずっと演劇をしている。年に一度、大学で授業として学内公演がある。それが終わったら劇団で公演を行っている。それ以外にもたまにやる。今年の3月は地元で高校時代の友人と朗読劇を上演した。

 

そして今年、大学4回生になったので、就活を始めたのだが、

「私は演劇するために生まれて来たのになんでこんなクソ企業に頭を下げてるんだ?」

と本気で疑問に思い、就活をやめた。じゃあ将来どうするのかという話だが、まず私に将来なんてない。あるのは今だk(ダサいので自主規制)

 

就活を始めたとき、地元の友人から大学の先生まで、ありとあらゆる人に驚かれた。

 

「えっ、みりんちゃんは就活しないと思ってた」

「えっ、みりんちゃんは演劇で生きていくんでしょ?」

「えっ、みりんちゃんは鴻上尚史みたいにならないの?」

 

鴻上尚史というのは、地元出身の劇作家・演出家だ。地元で演劇をしている人は、とりあえずこの人を神だと思っている。(たぶん)

 

上記のようなことを言われる度に、私は彼らに

「だって就職しないと生きていけないでしょ」

と返答していた。しかしだんだんそれに疑問を感じて来た。

そうまでして生きる人生に、一体何の意味があるというのか。就職をしてしまうと、人生の主軸が演劇でなくなってしまう。そんな人生に一体なんの意味があるというのか。

 

そして私は就活をやめた。腹いっぱい芝居をやって、ダメになったら死のうと決意した。すると人生がクソほど楽しくなった。自分が今しなければならないことに集中できるようになった。

私が今しなければならないこと、それは、卒業公演の稽古だ。

私の所属している学科では、卒業論文の代わりに卒業公演を行う。企業に頭を下げている場合ではない。演劇を勉強するために大学にいるのに、その稽古を休んで企業説明会に行くなんて。

 

そしてこの夏休みは、ほぼ毎日稽古をしていた。夏季休暇で大学に入れない期間があったので、そこは休みにしたのだが、それ以外はほぼ稽古をしていた。明日も稽古だ。

私は演出を担当する。演劇になじみがない人に「演出って何するの?」と聞かれていつも答えに困るのだが、ウィキペディア先生は次のように言っている。

演劇で演出を担当する者は演出家と呼ばれる。総合芸術である演劇において、全ての表現(俳優の演技、舞台美術など)を統括し、方向性を与え調和をはかる役割を持つ。

演出 - Wikipedia

簡単に言うと、映画でいう所の監督だ。たぶん。

 

 

前置きが長くなったが、タイトルについて。

ツイッター上に、小劇場お役立ちBOTというアカウントがある。

自分も小劇場で演劇をしているので、なにか参考になるかもしれないと思って、フォローしてみたのだが、なんだかどうにもひっかかる。

 

 

 

言っていることは間違っていない。間違っていないのだが、何故こんなにも不愉快な気持ちになるのか。

もしかしたら私以外にもそんな人がいるかもしれない。そう思って検索してみたのだが、

 

 

 

 

いた。そう、上から目線なのだ。めっちゃ上から目線なのだ。この人は一体どれだけすごい人なのだろうか。何故たったこれだけの文章で人を不快にさせられるのだろうか。もはや才能としか言いようがない。

そして、先ほど「言ってることは間違っていない」と書いたが、全部が全部そういう訳ではない。例えば、次のツイート。

 

 

いや帰ったらあかんやろ!!!

それ演出になんつって帰るの?「自分負のオーラ出てるんで帰ります」とかいうの?

んで明日元気いっぱいでこれば許されるの??ほかの役者が一生懸命稽古している中、自分だけ「なんか負のオーラが出てるから」っつって家でリフレッシュして元気いっぱいで来たら許されるの???

冗談きついっす。そもそも、役者が一人欠席するだけでその日の稽古予定は大きく変わります。最初から「体調悪いので」と休むならまだしも、稽古場に来てから「負のオーラ出てるから」とかいう謎の理由で帰られたらたまったものじゃない。

いや帰ってもいいですよ最悪。帰ってもいいけれど、それは役者が決めることじゃない。「こいつがいたら稽古がはかどらない」と思った演出が指示を出して、初めて帰れるんじゃないかと思います。つーかまず負のオーラを消す努力をしろよ。

 

 

いらねえ!!!!!そんな役者いらねええ!!!!!!!

なんでクソメンヘラ役者の為に稽古場全体が気を使わなければならないのか。 

 

 

いくらなんでも押しつけがましすぎやしませんか??

ファックスが失礼で、郵便なら良いというのもさっぱりわからない。そりゃ切手代はかからないからよいかもしれないけど、ファックスを送る労力と、郵便を送る労力、どっちもどっちなんじゃないですかね。

あとそこまでしてアンケートを送りたがる人がいるのでしょうか。いたとしたらそれはすごく良いお客さんですね。そういう人たちはたとえファックスでも気にしないと思うのですが。

反対に、さしてアンケートを書く気がないお客さんなんかは、切手付き封筒を貰ってもドン引きするだけのような気がします。

 

 

いや、わかる、わかるよ……? でもそれが出来たらだれも苦労しないと思うんだ……。

 

 

いや、うん、わかるよ……? これもわかるんだけどね……?

当たり前だけど、演出家は「わからせるために」しゃべっているからね……?「わかるようにいってあげる」ってそんな簡単じゃないからね……?

あとこれはダメな役者の例だけど、怒られて初めて危機感を持つ役者もいるからね……?

 

 

いや、うん、まあそうなんだけどね……?わかるけどね……?

でも小屋入り一週間前に芝居が完成するわけないからね……?

そもそも完成なんてないからね……? 稽古に終わりとかないからね……?

たとえ稽古が何か月あろうと課題は見つかり続けるからね……?

「あと一週間あれば」ってのは、たとえ何年何か月稽古をしようと誰もが思うことだと思います。

 

とりあえずまあこんな感じで「わかるよ? いやわかるけどもでもさぁ」というツイートが多い。もちろん全部が全部じゃないけれど。

 

 

例えばこのツイートね。当たり前っちゃ当たり前だけど、意識したことがなかったので。そんな感じでためになるツイートもたくさんあります。でも文体が不愉快すぎるので私は嫌いです。心の広い演劇人は絶対にフォローすべきです。文体が腹立つだけで、言ってることはだいたいその通りだったりします。(だいたいです)

 

でもわたしはこっちのアカウントの方がすきです↓

 

 

小劇場お役立ちBOTの方がよっぽど丁寧な言葉遣いをしているのですが、私ははるかにこちらのくろしばいぬbotの方が好きです。もう完全に好みの話だけど。

これね、ほんとうにこれなの。芝居しなくても誰も困らないの。

昔ね、演劇部の稽古を毎日やってて、夏休みも返上して毎日稽古やってたの。そしたら後輩が急に泣き始めてね

「遊ぶ暇がない~」

って。

やめろよ!!!!!お前が演劇しなくても誰もこまらないんだよ!!!!!

 

 

これもね!!!ほんとにそう!!!!

確かに動ける人間は大切だけども、だからといって彼らが傲慢になっていい理由なんてないんだな。動けない人間をdisる権利なんてないんだな。

 

 

これもほんとにほんとによくわかる。演技が目的になっている役者は多い。あくまで目的は「表現すること」「魅せること」等々であって演技はその手段でしかない。

最初は演技が目的でもいいけれど、稽古が始まっても演技が目的のままだと困る。そんなのただの自慰でしかない。

 

という訳で私のように性格に難がある演劇人には、こちらの「くろしばいぬbot」のフォローをお勧めします。時々反省させられます。

 

 

 

 

おまけ

実在するやばい役者・演出家(私が出会った人、または人から聞いた話)

 

・本番前日に病気を理由に逃亡し、代わりにビデオレターを流すとか言い出したクズ。そしていろんな人に怒られて逆切れ、公演自体をストップさせるためになぜか大学の学生課に苦情を入れる。

 

・本番当日寝坊で欠席したクズ。(当然公演は中止。劇団側はやってきたお客さんに謝罪し交通費を支給)

 

・ゲネ前日に男と飲みに行ってゲネがぼろぼろ。そして後日謝ったからもういいでしょとか言い出すクズ。

 

・演出上すっぴんで出てきてくれないと困るのでそういったら「私すっぴんはちょっと……」とか言い出したクズ。

 

・役作りのために髪の毛を染める? という話が出たときに「あたし髪は染めない主義だから」とか言い出したクズ。

 

・ゲネの意味を理解しておらずゲネを「うまくいかなかったんでもっかいお願いします」と止めるクズ。

 

・嫌がる役者を無理やり出演させ、さらに公演が赤字だったためその役者から金をとろうとしたクズ。

 

・「親が体調悪いから」という理由で稽古を欠席するクズ。

 

・劇場で男といちゃつきはじめるクズ。

 

・「私の演技には何の問題もない」とかいいだすへたくそ。

 

あげだしたらきりがなかったー!!!!!!

演劇だからね、多少変な人が多いのは仕方ないけどもね、並べたら結構あれだね……。

 

よく人を見る目がないと言われます。例えばとある役者を起用したとき、私はその役者の陰口を死ぬほど聞いていたのですが、まさかそんな悪い人なわけないでしょーと起用してしまい、結果陰口通りのゴミクズだったので自分が大損害を受けたという話。これが2回ほどある。

 

まず私も演劇人としてだいぶアレ。てか演出家として人を見る目がないのは致命的。

いや、なんかね、みんな信じたいじゃん? 周りが嘘言ってる可能性もあるわけじゃん? だから一緒に仕事してみないとわかんないじゃん?

しかし周りの評判ってのはだいたいその通りだったりします。反省しよう。

 

 

 

 

 

おわります。

深夜のテンションで怒られそうな記事を書いてしまった。