毎日が告別式

人生どん詰まり元芸大生のブログ

インドカレー屋に行こうとして警察に捕まった話

急いでいた。

その日は物凄く急いでいた。

時刻は14時00分。あと30分で、ラストオーダーの時間になる。

インドカレーが私を待っている。

いや別に待っていないけど、私の胃がインドカレーを待っている。

 

胸毛(彼氏)とバイクを二人乗りして、インドカレー屋に急ぐ。

反対車線、その向こう側に店が見えた。あと25分。

Uターンすべく、胸毛がハンドルを切った。

その瞬間、サイレンが鳴り響いた。

 

「そこのバイク、止まってください」

 

胸毛はクソっと呟き、歩道にバイクを停めた。私は半笑いで降りた。

数メートル先に、インドカレー屋があるのに。ほんの数メートル先なのに。せっかく急いできたのに。

なんでこんな目に遭わないといけないのか。一体どんな悪いことをしたというのか(道路交通法違反)

 

Uターン禁止の場所だったらしい。胸毛はパトカーの中に連れて行かれた。別に逮捕はされていない。そこで書類を書かされるのだ。

 

警察「暑いので、お連れさんもよかったら中にどうぞ」

わし「嫌です!!!!!!!」

 

法を冒したのはあくまで胸毛である。何故私が極悪人輸送車に乗らなければいけないのか。私がパトカーに乗る日は、本当に悪いことをしたときだけと決めてある。嘘です。

 

胸毛がパトカーの中で事情聴取をうけている間、私は歩道で太陽にじりじりと焼かれていた。そしてインドカレー屋を目の前にしてお預けをくらい、じりじりしていた。

 

目の前に鎌倉パスタがあった。諦めて鎌倉パスタのホームページを開いた。パン食べ放題らしい。何が悲しくて炭水化物に炭水化物を合わせなければならないのか。ここは大阪だがやはり解せない。

 

十数分後、胸毛がパトカーから出てきた。警察の人に謝っておいた。お仕事ふやしてごめんなさい。胸毛は6千円の罰金らしい。どんまい。

 

わし「鎌倉パスタでもええんやで」

胸毛「えっなんで?」

わし「だって間に合わんやろ」

胸毛「間に合うよ」

 

この時、時刻は14時20分。インドカレー屋はほんの数メートル先だ。

 

わし「でもこんなギリギリに行ったら迷惑やろ」

胸毛「そんなことないよ。行こうや」

 

そしてインドカレー屋に向かうことになった。胸毛はバイクの後ろに乗るよう促してきたが、

 

胸毛「乗りや」

 

私は走ってインドカレー屋に向かった。しょっぴかれたばかりのバイクに乗ったら、私が罪に染まる気がしたからだ。気のせいだ。

 

そしてたどり着いたインドカレー屋。プジャ西浦店。

 

私はインドカレーが好きだ。キモいぐらい好きだ。ありとあらゆるインドカレー屋を訪れた。これが何軒目なのか、まったくわからない。誰にもわからない。

 

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ランチメニューが豊富。しかしマトンカレーがない。私にとって良いインドカレー屋であるか否かは、マトンカレーの有無によって決まる。絶望だ。いやまぁランチメニューにマトンカレーがある店の方が珍しいのだが。

 

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日替わりだとマトンカレーもあるらしい。次は木曜日に行きたい。

とりあえず、この日はさして空腹でもなかったので、一番安価なランチを注文した。

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カレーが一種類ずつ付く。私はポークカレー、胸毛は日替わりのエビとほうれん草のカレーを注文。辛さも選べる。中辛にした。サラダとドリンクも付く。ドリンクはラッシーにした。カレーが辛いので、ラッシーの甘みで中和しながら飲むのだ。(ラッシー=ヨーグルトっぽいやつ)

 

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ナンはおかわりできる。

焼きたてのナンは非常に熱いが、その分美味しい。ナンを食べるのは、時間との戦いだ。ナンは時間が経てば経つほど冷えて硬くなる。あつあつもちもちの時に食うのが一番美味い。

 

エビとほうれん草のカレーがちょっと意外なほど美味しかった。マトンにこだわるのはやめたほうがいいのかもしれない。

 

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通常メニュー。種類が豊富だ。しかしマトンがない。(やはり拘りは捨てられない)

 

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食べ放題メニューもある。

カレーは結構腹に溜まるので、そんなに食える気はしないが、楽しそうなのでいつか挑戦してみたい。

 

その日、私は胸毛と映画館に行く予定だった。しかし私がうっかり家に忘れ物をしてしまい、取りに行くついでにこのインドカレー屋に来た。

 

胸毛「お前が家に忘れ物をしなかったら、警察に捕まることもなかったのに」

わし「そんなこと言い出したら、そもこもお前がバイクの免許取ってなかったらこんなことにはなってない」

胸毛「せやで。そもそも生まれなかったらこんなことにはなってないねん」

 

 

 

 生まれてくるんじゃなかった。

おわります。

次回「大阪のインドカレー屋50選」(大嘘)