毎日が告別式

人生どん詰まり元芸大生のブログ

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

ファンタビ感想。

ネタバレありです。

 

 

 

 

 

ハリー・ポッターシリーズは、4作目以降の陰鬱な雰囲気が苦手で、この映画も似たような感じなのかなと思っていたけど、全くそんなことはなかった。とてもかわいい映画だった。上映が始まってからしばらくの間、白黒の町並みが続いて、少し息苦しいなと思っていたんだけど、ニュートのトランクの中は驚くほど色彩に溢れていて感動的だった。灰色のマグルの世界と、トランクの中のカラフルな魔法世界との対比。そりゃ普段缶詰工場で働いているマグルは感動しちゃうよな……。


 ジェイコブがいい。魔法世界と初めて対峙するマグル。もしこれが邦画なら、彼のポジションはイケメン俳優やら今流行りのアイドルなんかが奪うんだろうな……。デブなんだけど汚ならしくなくて、愛嬌がある。ゴールドスタイン宅で料理を振る舞われるシーンとかもう夢のよう。クイーニーじゃないけど、彼の感情が手に取るようにわかる。とってもかわいい。


 ニュートがハッフルパフ出身というのがまたいい。セドリックがいたとは言え、これまでのハリポタでは空気だったからね……。USJではこれから黄色いローブが売れるだろうと思います。


 これまでのハリー・ポッターシリーズを見たことがない人にも楽しめるように出来ていた。そのせいか、あまりハリポタらしくはなかったかな。原作では、魔法は万能じゃなくて、ちゃんとルールがある。できないことも当然ある。でも今作では魔法=万能なもの、と描かれていたように思えて少し違和感。まぁジェイコブっていうマグルの存在があるから、彼の目を通して見る魔法世界ということでわざとああいう作りにしたんだろうなとは思うんだけども。


 ジェイコブは絶対ラストで記憶を消されるんだろうなと思っていたけど、消さないでくれ消さないでくれと祈ってもいた。結局消されてしまったけれど、あのラストには救いがあった。記憶は消えても、一緒に過ごした時間は消えなかったわけで。あ、別れのシーンは少しくどかったです。


 とてもよい映画でした。ハリポタ本編より好きかもしれない。ハリポタは後半になるにつれて原作のストーリーを追うことにいっぱいいっぱいになって魔法世界のディティールがいい加減になっていた気がしたよ。
 本当に見に行ってよかったです。
 

映画『怒り』を観て。

日本アカデミー賞最多受賞の『怒り』

今更ながら感想。ネタバレしまくりです。犯人もバラします。ので注意。

 

 

 邦画は映画館でみるより、家でパズドラとかしながらぼけーっと観たい。しかしこの作品は、絶対に映画館で観たいと思った。CMの出来が良い。
 CMの出来が良すぎた。「これはいつもの邦画と違うぞ」とワクワクしながら観ていたのだが、最後まではもたなかった。

 殺人事件の犯人探し。物語は東京と千葉と沖縄の三ヶ所で展開する。テレビで放送された犯人の特徴。そういえばあいつ、犯人に似ている。そんな感じで疑心暗鬼になっていく人たちの話。

 東京。綾野剛妻夫木聡。ゲイ。なんかツイッター腐女子が騒いでいたけど、まあわからないでもない。身元不明の綾野剛を妻夫木が拾って同棲。「あれっなんかこいつ犯人に似てね?」とか思ってたら突如失踪する綾野剛。そして警察から電話がかかってくる。「警察から連絡がきたってことはやっぱあいつが犯人だったんだ」とろくに用件も聞かずに電話をガチャ切り。作中一番真犯人っぽい。

 千葉。渡辺謙がいい。腹の出具合が父親感満載。風俗でぼろぼろになった娘(宮崎あおい)を地元に連れ戻すところから始まるんだけど、この娘は頭が少し足りない。宮崎あおいの演技が圧巻。そして渡辺謙がいいすごくいい。台詞はそこまで多くないのに目だけで何言ってるのか全部わかる。
 こちらでもまた身元不明の男をひきとっていて、バイトとして働かせている。その男と娘がひっつく。父親は「あいつ犯人に似てね?」と気が気じゃない。娘はその意見を一蹴するんだけど、やっぱり色々あって疑ってしまい、警察に通報する。

 沖縄。離島に勝手に住んでいるなんかよくわからない男。なんか知らんけどそこに通う広瀬すず。そしてなんかしらんけどクラスメイトとデートした帰りに外人にレイプされる。クラスメイトの男の子はその現場を見ていたけれど助けられなくてとてもつらい。そして離島の男もなんかしらんけどその場にいたけど助けられなかったとかいってなんか知らんけど泣く。ちなみにこいつが犯人。

 東京編の綾野剛を真犯人っぽく作っていて、一番関係なさそうだった沖縄の男が犯人。この映画、人間の内面の描写がすごくすごく丁寧。感情移入しやすい。各容疑者が疑われる理由もはっきりしていて、登場人物たちが疑心暗鬼になっていく理由もよくわかる。
 どこまでもリアルに丁寧に作られていたから、犯人が人を殺した理由がとても気になった。何が彼をかりたてたのか。きっととても深い理由があるはず。

 そうでもなかった。犯人はいわゆるサイコパスだった。広瀬すずがレイプされていたのを見て笑ったらしい。それを聞いてクラスメイトの男の子は犯人を殺してしまうんですけども。
 いやぁここまで人間を丁寧に描写しといて、サイコパスってそりゃないでしょう。人を殺す動機が弱すぎるでしょう。サイコパスだからってそれですませたらもったいないじゃない。他のクソ邦画ならまだ許せたけれどここまで緻密に作り上げておいてそりゃねーだろ。

 映画冒頭で、犯人が前にすんでいた部屋が出てくる。壁一面に文字。思ったことを書かずにはいられないらしい。そして沖縄の離島の掘っ立て小屋にも文字。しかしとってつけたように少しだけ。レイプされてたうける、みたいな。そして怒という文字。これは犯行現場にもかかれていた文字。

 終盤、取調室に新キャラが登場。一瞬こいつが犯人なのかと驚くが違った。そして唐突に「犯人はこういうやつでねぇ」と語り始める。あいつはこういう性格でねえ、あのとき事故現場ではこういうことがあってねえ、それであいつはこう思ってねえ……とその場にいたわけでもないのに語り始める。いやお前誰やねん。なんでその場にいたわけでもないのに丁寧に状況を話せるんや。講釈師かお前は。などと思いつつ。
 『猟奇的な彼女』という映画がありますが、あれにも突然新キャラが出てきて状況を語り始めるんですよね。いやお前だれやねんと。物語を進めるためだけの登場人物を作るなよと。それと同じで。

 そして犯人がわかったあとに、残りの二人の誤解がとける。千葉編は普通に感動するので割愛。東京編では、またこの解説をするためだけの登場人物が出てくる。一応他のシーンでも出ていて、その人と綾野剛がお茶してるのを見て妻夫木がまた疑心暗鬼になってと、それはそれでよかったんだけど。
 実は綾野剛は病気で死んでて、警察から電話がかかってきたのはそのため。盛大に誤解をしていた妻夫木がぼろなきしていてとてもつらい。しかしなんでこう、邦画というやつは、後日談をつけたがるんだろう。テルマエロマエを観たときも思った。ここで終わっておけば綺麗なのに、何故か後日談を入れたがる。
 沖縄の人が犯人だった!じゃあ一番犯人っぽかった綾野剛は何なの?えっ病気!?すごくつらい!!!というふうに感動させたかったのかは知らないけれど別に感動はしなかった。妻夫木の泣き顔とか蛇足じゃないですかね。下手に後日談を入れるんじゃなくて、綾野剛が病気だったとわからせる伏線をそれとなく入れておくぐらいじゃだめだったのかしらと思う。

 話は戻って、真犯人の話。もうあんなふうに投げてしまうならいっそ犯人なんかいなくてよかったんじゃないか。沖縄と東京と千葉。それぞれがだれかを犯人かと思って疑心暗鬼になってぼろぼろになって、でも本当は犯人は全く別の人で、それでよかったんじゃないかしら。映画だから仕方ないのかもしれないけれど、もしこれが演劇だったら、最後の最後に新キャラ、それこそさっきの取調室のおっさんみたいなのを出して、そいつが犯人で全員が冤罪でした人間って脆いね怖いねって終わればいいかんじに後味悪くてよいと思う。


おわります。これは渡辺謙に萌える映画です。

君の名は肩透かし

 「異性と観に行ったらついうっかりプロポーズしそうになる」と聞いて彼氏と一緒に観に行った。別にプロポーズしたくはならなかったしされもしなかった。かなり期待していたから若干肩透かしをくらってしまった。面白かったといえば面白かったけれど、絶賛する声には違和感を覚えた。


 この映画は泣けるらしい。感動するらしい。私はすぐ泣く。映画館で本編の前に流れるCMでさえ泣く。本編でもすぐ泣く。ファインディングドリーとか始まって数秒で泣いた。しかしこの映画ではあまり泣けなかった。泣き所がどこなのか真剣にわからない。一度だけうるっときたけど、それはおばあちゃんが「これから三人で暮らすんだよぉ」と言っていたシーンなのでたぶん違う。たぶんここだけピンポイントで泣いてるの私だけだと思う。


 よく練られた脚本だけど、さして真新しさは感じない。深夜アニメっぽい。ラッドは個人的には好きだけれど、少しくどい。よく聞く意見ではあるが、二人が恋に落ちる理由もよくわからない。背景は綺麗。

 

 これなんで流行ったんだろう。なんでこんな深夜アニメみたいな映画が流行ったんだろう。それはたぶん、これが深夜アニメを忌み嫌う層に向けて作られた深夜アニメだから。深夜じゃないけど。


 オタクは気持ち悪い、アニメは気持ち悪い、みたいな風潮は昔からある。それはよくわかる。私は昔からクソオタクなので、アニメに対して嫌悪感を覚えたことはあまりない。でも似たような感じで、ギャルゲーとか乙女ゲーとか、そういうのに何となく嫌悪感があった。あとエロゲとか。でもいざやってみたら超面白いんですよ。思っていたのと違うんですよ。でもそのやってみるってのが以外と難しい。

 

 んでこの映画は、見てみようと思える要素が多いんですよね。言い訳もできるんですよね。「いや私アニメとか普段見ないんだけどラッド好きだから」「神木くん好きだし」「長澤まさみが出てて」「背景が綺麗だから」
 普段アニメとか見ないから、初めて見るその世界観に感動する。そして流行る。「アニメとか興味ないけど流行ってるから観に行こー」そしてさらに流行る。

 この手の作品は昔からあったけれど、拡散力を持つ人たちには届かなかった。この作品はその層に向けて全力でアピールしている。戦略勝ちってやつですかね。

 

 某所で、この作品の気持ち悪さを指摘している人がいた。なんか三葉がリアルな女子高生じゃなくて、おっさんの妄想世界の女だ、みたいな。おっさんが女子高生を操縦している、みたいな。とってもよくわかる。少なくとも私は作中誰にも感情移入できなかった。外側は徹底的に非オタ向けなんだけれど、キャラクターは深夜アニメそのまま。自分の唾液が混じったお酒がどうのなんて言われて赤面とかできないですよ普通。個人的には三葉よりミキが気持ち悪かったけども。涼宮ハルヒに出てきそうですね。キョン君をドキドキさせてそうですね。

 

 この映画を見る前に、同じ監督の『言の葉の庭』を観た。彼氏が執拗に勧めてくるので仕方なしに観たのだけど、やっぱり感動しない。「いやそこでその台詞はおかしいやろどんな思考回路やねん……」と思った。
 物語の登場人物。彼らは人間。人間である彼らが、考えて動いて喋った結果物語が生まれる。しかし言の葉の庭も君の名はも、物語が先にある。物語をスムーズに展開させるためだけに産み出された登場人物。とても都合がいい。それはもう人間ではない。だから気持ち悪い。深夜アニメならなにも思わなかったけれど、映画でこれをされると少ししんどい。
 君の名はは映画館で観たのでぐっとこらえたが、言の葉の庭は家で観たので「いや嘘やん!ここで動いたらそれはもう嘘やん!」みたいなことを三回ほど叫んで彼氏にいやな顔をされた。ごめんやん。

 上映時間は107分。長かった。後半の、町の人たちを避難させるために三葉達が奮闘するくだり、テンプレだけど割りとワクワクした。でもよくあの父親を納得させられたよね。かなり労力のいる作業だろうにその過程がカットされてしまっているからいまいち納得できなかった。

 んで三葉と瀧がくっつく理由がやっぱりわからん。日記のやりとりで互いを意識するようになった、ってのはわかるんだけどどこに好きになる要素があったのか。

 いつになったら終わるんやこの映画は……と思っていてやっと終わる!と思ったらまだ続く。成人した二人が出会って終わり。いやうんもうわかったからはよ終われや長々鬱陶しいねんと思った。もう少しコンパクトにまとめられていたらまだ感動できたんだろうけど……。

 色々書きましたが面白かったです。好みではないというだけで。モノローグ連発する映画ほんと嫌い。あ、映像は綺麗でした。

 

いとこの子供がかわいい

子供が嫌いだ。

なんか手がべたべたしてるし奇声を上げるし暴れるしうるさくて汚いから嫌いだ。

スーパーで走り回る子供。銭湯で叫ぶ子供。いや正確にはそんな子供の親が嫌いなんですがね。本当は子供が嫌いなんじゃなくて躾をされていない子供の親が嫌いなんですが、坊主にくけりゃ袈裟までって言葉があるように、今ではすべての子供が若干苦手だったりします。

だから自分が子供を持つとか考えられなかったんですよね。かわいいと思えなかったらどうしようって。自分の子供なら別なのかもしれないけど、そんなの生んでみなきゃわからないし、今までの人生で子供をかわいいと思ったことなんか殆どないから、この先もないんじゃないかって。

 

しかしですよ、今年の正月ですよ。

子供かわいいと思えたんですよ。

去年の年末にね、叔母が従兄の子2人を連れて遊びに来まして。

その時家には私以外にいなかったので、私と、叔母と、いとこの子(高校生と小学1年生)の4人です。いそいそとお茶を出したり座布団を引いたりしました。

 

叔母はそれはもう良く喋るんですよ。沈黙が怖いならとにかく叔母を連れてこいって感じで、叔母さえいたら沈黙が吹き飛ぶんですよ。もうラジオですよ。ほっといても永続的にしゃべり続けるんですよ。

んで、遊びに来ると言ってもそれは叔母にとってであって、いとこの子二人は連れてこられただけなんですね。テーブルを囲んで、叔母と私が喋っていて、いとこの子二人はなんとなく座っているだけ。上の子はスマホなんかで暇をつぶせるからいいんですが、下の子は暇そうなんですよね。で、相手をしてあげたいけど叔母の話も聞かなきゃだからどうすればいいかわからなくって。

そこでね、アマゾンで買ったばかりのタブレットの登場ですよ。良く分からないけど最近の子供は妖怪ウォッチとか好きなんだよね? という安直な考えから「妖怪ウォッチぷにぷに」をインストールしまして、いとこの子(以下A君)に渡しました。

 

叔母の話に相槌を打ちながら妖怪ウォッチを一緒にやります。お姉さんは多少妖怪ウォッチを知っていたんですが、知らないふりをした方がいいかなぁと思ってA君に質問します。そしたらAくんが教えてくれます。えっかわいい。

「この妖怪は古典妖怪」とかって教えてくれるんですね。「古典妖怪ぐらい知っておかないと」とか言うんですね。生意気かな? しかしかわいい。

何か知らんけど一緒に妖怪ウォッチをしていたらだんだんとAくんがかわいく見えてくるんですよね。なんだこれは。そんで最初は人見知りをしていたけど、だんだんしゃべってくれるようになるんですね。すごいファービーみたい。

んで帰り際には手をふってくれたりするんですよ!!!ねぇねとか言われるんですよ!!!

 

はいねぇねです!!!はい!!!!!!!(気持ち悪い)

いや「ねえねえ」って話しかけられてるだけだとは思うんだけれどもね。

もうね、タブレットべったべたですよ。A君ちょくちょく唇さわるからタブレットベッタベタですよ。本来の私ならもう怒りに打ち震えていたんでしょうけれども、もうね、いくらでも好きなだけベタベタにしていいよって感じで。(あとでアルコール消毒はした)

 

その数日後。今度は叔母の家に私から行きました。

そこには叔父と、叔母と、Aくんがいました。

Aくんはまだ7歳だと言うのにパソコンの前を陣取ってゲーム実況を見ていました。さ、最近の子供は進んでいるんだね……。

そしてAくんとゲームをすることになりました。手垢と唾液でべったべたの3DSを貸してくれました。以前の私なら顔を引きつらせていたでしょうけれども笑顔で受け取ります(後で手は洗った)ソフトはマリオメーカーでした。

 

私はゲームがとても苦手です。マリオメーカーとかいきなり渡されてもまったくできません。Aくんがせっせと教えてくれるんですがお姉さんにはさっぱりわからない。

しかしAくんの優しさを無下にすることもできないので、頑張ってゲームに挑みます。そしたらなぜかA君が急に興奮しだして、

「ちょっとまってて!ゲーム全部持って来るから!!!!」

と言っていなくなりました。叔母が「まぁまぁ鼻息荒くして」とほほ笑んでいます。

そしてA君が大量のゲームを床に(なぜか直線上に)並べ始めました。

「好きなのやっていいよ!!!!!」

 

これね、たぶんなんですけどね、私の推理なんですけどね、

Aくんって三人兄弟の一番下なんですよ。上に二人もお兄ちゃんがいるんですね。だから誰かに何かを教えるというシチュエーションに感動したのかなぁと思います。

 

ゲームはいろいろありました。マリオカートとか太鼓の達人とかカービィとか。マリオカートは割と得意な方でして。あと太鼓の達人も。そしたらAくんおもしろくなさそうなんですよね。「好きなのやっていいよ!!」と言っておきながら「マリオカートだけは絶対ダメ!」とか言うんですね。わかる、わかるよ、誰かに何かを教えると言うシチュエーションが大事なんだよねわかるよ。

 

 

とてもかわいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えっ、オチなんてないよ。

こんど帰った時、また一緒に遊んでくれるといいなぁ。

 

 

アマゾンプライムビデオでキョロちゃんを見よう!

キョロちゃん

キョロちゃん

キョロキョロ

キョロキョロ

キョ!ロ!ちゃん!

 

Amazonプライムビデオでアニメ版キョロちゃんが全話観られるぞー!!!

 

という訳でアマゾンプラムのステマをしていこうと思います。(微塵もステルスではない)

アマゾンプライムっていうのは、ご存じアマゾンの有料サービスのことです。年間費は3900円。学生なら1900円。私はまだかろうじて学生なので1900円なのですが、卒業後もプライム会員でいるつもりです。それはもう永遠に。

本当にね、便利なんですよ。プライム会員になるとお急ぎ便というのが無料なんですがね、これが本当にいい。注文した翌日にはもう届いている。早けりゃその日のうちに届く。遅くても三日くらいで届く。もう便利すぎてほかの通販のサイトとか使えないですほんと。

 

んでプライムビデオですよ。huluとかTSUTAYAディスカスみたいな動画配信サービスです。映画やアニメが見放題。他に費用とかいらないんですよ。プライム会員なら、プライムビデオが見放題。キョロちゃんが見放題!

 

そうキョロちゃんですよ。アマゾンとか正直どうでもいいんですよキョロちゃんなんですよ! 私は全人類にキョロちゃんを見て欲しいんですよ!

 

キョロちゃん

キョロちゃん

キョロキョロ

キョロキョロ

キョ!ロ!ちゃん!

 

あの日、私はプライムビデオの子供向け作品のページをぼーっと見ていました。

キョロちゃんないかなぁ。キョロちゃんあったらいいのにいなぁ。キョロちゃん全人類に見てほしいのになぁ。

そしたら、あった。なぜかあった。ずっとなかったのにあった。

願いが通じたのだろうか。なんとプライムビデオならキョロちゃんが全話無料!

これね、DVD買えばいいじゃんって話なんですがね、DVDクソほど高いんですよ。三十万するんですよ。そんなの手が出ないじゃないですか。

だがしかしアマゾンプライムビデオなら年会費のみでキョロちゃんが見放題!

 

いえーい最高!!!!!!!!

 

いやほんとアマゾンとかどうでもいいんですよキョロちゃんですよ。これからキョロちゃんの魅力を語っていこうと思うんですけれどもね、いやね、子供向けアニメと侮ることなかれですよ。例えば23話『きらきら星の涙』。これ本当に神回です。(オチまでネタバレします)

 

 

キョロちゃんたちが住んでいるエンゼルアイランド。その外れに古びたお屋敷があります。ある日、キョロちゃんたちは雨宿りをしようとそのお屋敷に勝手に入ります。そこに住んでいたのがメヤニーさんというおばあちゃん。メヤニーさんは偏屈で人間不信。雨宿りをしに来た子供たちに意地悪をします。それになぜか感動したキョロちゃんは、それからメヤニーさんの家に通うようになります。

メヤニーさんはキョロちゃんを追い出そうと、たくさん意地悪します。しかしキョロちゃんは喜ぶ一方。メヤニーさんは、よく仏頂面で「フンっ」と言うのが癖なのですが、キョロちゃんはそれを見るたび目を輝かせて喜びます。

「すごいなぁメヤニーさんは。大人は嘘っこ笑いをするけど、メヤニーさんはしないんだもん」

 

 

もうね!子供向けアニメの台詞とは思えないよね!

そうだよ大人は嘘っこわらいをする生き物なんだよ。でもメヤニーさんは自分に正直だから!愛想笑いとかしないから!人間は大人になるにつれて嘘っこ笑いが得意になるんですよね!私も昔に比べたら嘘っこ笑いが上手くなってしまった!でもそれじゃいけない!私もメヤニーさんみたいにならなくては!

 

すみませんなんでもないです。

メヤニーさんはキョロちゃんに屋敷の掃除を言いつけます。キョロちゃんは喜んで掃除をするのですが、その最中に入ってはいけない部屋に入ってしまいます。そこはメヤニーさんの亡くなった息子の部屋。写真の中の男の子は、バイオリンを持って微笑んでいました。

「ママの誕生日には、きらきら星を聞かせてくれるって……」

 

それを聞いたキョロちゃんは、次の日からお屋敷に来なくなります。キョロちゃんに心を開きかけていたメヤニーさんはショックを受けます。

それから何日かたって、再びキョロちゃんがお屋敷を訪れました。手にバイオリンを持って。

そう! キョロちゃんは! メヤニーさんに隠れて! バイオリンの練習をしていたんです!!!!!!!!

泣ける(´;ω;`)(´;ω;`)(´;ω;`)

 

へったくそなんですよそれが。でも一生懸命きらきら星をひくんですよ。その姿がかつての息子の姿に重なって、思わず涙が出るメヤニーさん。そして実はこの日はメヤニーさんの誕生日なんですね。知り合いのおじいさんからそのことを聞いて、キョロちゃんは一生懸命バイオリンの練習をしたんですね。

 

(´;ω;`)

 

そしてそれから、いやもうええわ、見てください。

見た方が早い。もうね、涙がちょちょぎれますからほんまに。

そして自分が穢れた大人になってしまったという事を思い知って涙がまたあふれ出すからほんまに。

 

 

はいアマゾンプライムビデオで検索!

はいこんなクソブログみてないではやく!

はやく!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キョロちゃん

お題「好きだったテレビ番組」

↑お題は「好きだった」ですが現在進行形で好きです。

正月の話

父がうざい。

 

わたしの父は、船乗りだった。

つい数ヶ月前まで船乗りだった。

しかし船内の階段から転落し、入院し、退職して、今は家にいる。

 

父は大酒飲みだ。家にいるときは、毎日酒を飲んでひっくり返っている。

 

父の話 - 毎日が告別式

 

そんな父が、入院した。たまたま兵庫にいたらしく、近くの病院に入院した。兵庫なら近い。見舞いに行くと、父は頭を怪我していて、ぼけていた。聞けば、高次脳機能障害になってしまったという。ついさっきのことが覚えていられないらしく、何度も同じ話をする。病院から脱走しようとする。禁止を言い渡されたのに酒やタバコに手を出そうとする。

 

そんなクソ父を看病すべく、わたしは大阪から二時間かけて父の病室に向かった。夕方、父が病院から脱走したときは母から電話がかかってきて、病院に行ってくれといわれた。

家族親族で交代ごうたいで看病した。とても大変だった。

 

そんな父も、今ではすっかりよくなった。かなり体力は落ちたが、記憶力はだいぶ良くなった。家では、こうじ君と呼ばれている。高次脳機能障害、だからこうじ君。何かあるたび、「お父さんはこうじくんだからね」と我が家では笑うのだ。

 

父の体力は、かなり衰えていた。新年、初詣にに行ったのだが、父は階段を登れなかった。階段にたどり着くまでにリタイヤしてしまった。

 

その日の夜、家族でテレビを見ていた。父と娘の話だ。父は車椅子生活で、ほとんど歩けない。しかし娘とバージンロードを歩くために、懸命にリハビリして一緒にバージンロードを歩く。感動の内容だ。

 

母は泣いていた。娘のために懸命にリハビリするテレビの中の父親の姿を見て泣いていた。非常に感動的な空気が流れていた。

 

なんか面白くなかったので

 

 

 

 

「一方その頃我が家では」

 

 

 

 

と言ったら、母がひっくり返って笑い始めた。せっかく感動してたのにー!と。「バージンロードは叔父さんと歩くけんええよ」と言ったら更に笑い始めた。父は気まずそうにしていた。

 

 

 

 

 

 

 

ざまあみやがれ!

 

 

 

 

以下、正月の我が家での楽しい会話集。(ツイッターに書いてた)

 

帰省初日

母上「帰ってきたって叔母ちゃんに電話せんかい」
わい「あとで」
母上「母さんが電話するわ」
わい「えっ、ちょっ、待って、それしたら叔母ちゃん家に手土産持って三時間ほどお邪魔するというイベントが発生するから待って」
母上「(電話する)」
わい「ああー」

いやぜんぜんいく気やってんけどタイミングとかあるやん! 今朝土砂降りだったし!

 

 

わい「納豆貰っていい?」
父上「お前こんな物好きなんか。宇宙人やな」
わい「いやオトンも食べてるやん」
父上「母ちゃんも宇宙人やからな。わしは母ちゃんは人間やと思ったから結婚したのに」
わい「いやオトンも納豆食べてるやん」
父上「納豆は健康に良いだの何だのと洗脳されてなぁ」

 

 

わい「納豆に梅干し入れたら美味しいかな」
父上「(梅干し入れて食べる)……少しだけ金星に近づく」
わい「ちょっと何言ってるかわからないですね」

 

母「仕事行くから食器の片付けよろしく」
父上「えっえっえっ(私を指差しながら)」
私「私寝るけん!実は昨日一睡もしてないんよね!いやぁ寝て起きたら食器が片付いている、こんな素敵なお父さんおらんね!」
父「えっえっえっ(わろてる)」
母「明日からはあんたがやるんよ」
私「はい」

 

 

私「500円返して」
父「返してほしい?」
私「トイチやで」
父「500円やな! 待ってや……100円、200円、」
私「いまなんどきだい?」
父「300円、400円、」
私「いまなんどきだい?」
父「500円!」
私「消費税の分は?」
父「いるん?」

数分後

父「あっ机の上に500円ある!」
私「それ私のや!」
父「なんて?」
私「イッツマイン!」
父「なんて?」
私「イッツマイン!」
父「プリーズ!」
私「ノー!」
父「オーマイガー!」

この英語力のなさよ。

 

 

父「焼き鳥食べんかいよ」
私「食べた」
父「父さんの分は何本残してくれた?」
私「全部食べた」
父「全部食べたんー!!」
私「残したら悪いと思ってー!!」
父「偉いねー!!」
私「せやろー!!」
父「いっぱい食べて大きくならんかいよー!!」
私「うんー!!」

ごめんやん

 

 

私「博物館でリアル脱出ゲームやりよんだって」
母「なにそれ」
私「知らん人と部屋に閉じ込められて、頑張って脱出するゲーム」
父「なんで知らん人と閉じ込められるか知ってるか?」
私「知らん」
父「好きな人とだったら出てこなくなるから」
私「すげえ!!!座布団一枚!!!」

 

 

母「じいちゃんは腕のいい大工だったんやで」
父「伊予の左甚五郎と呼ばれたんやで(嘘)」
私「左甚五郎とか今の子は知らんやろ。あんた知っとる?」
弟「知らん」
父「左甚五郎とは……右甚五郎の弟や」
母「しょーもな!」

 

 

テレビでマラソンのことやってて

弟「何故この人たちは走るんだろう」
私「………………前世がメロスだから」
母「メロスwwwww」

私「うけたー!」

 

 

私「音立てて食べるのやめてや!」
父「ええー?」
母「あんた自分は子供に食べ方が汚いだの何だのと怒鳴りよった癖に」
私「つまり私にはオトンをどやす権利があるんやで!」
母「自分が怒鳴りよったから言われるんやで。母さんは言ってないからね。だから母さんにも言わんとってね」
私「えー」

父「音立てて食べてないよ」
私「立てとるやん!」
弟「父さん、認めることも大切やで。人は何かを認めることによって先に進めるんやで」
私「そして進むことが出来なくなった人を老害と言う」
父「(^o^)」

私「(弟に)産んでない長男って言葉があって、世の中には自分の嫁を母親のように使う男がおるけど、あんたはそうなったらあかんよ」
弟「ならんよ。目の前に悪い見本がおるし」
父「www」
私「あえて悪い見本になる、これは父さんの教育的指導なんかな」
父「せやで!」
弟「いや母さんが可哀想」

 

 

私「私が彼氏連れてきたらやっぱりちゃぶ台返しするん?」
父「せんけど、ほんまにこれでいいんですか?返品は効きませんよ?って言う」
私「ひどない?」

 

叔父「結婚なんかせんでいい!!」

叔父さん好き

 

 

私「こしあんの餅を食わないと年が明けん」
母「つぶあんなら売ってる」
私「あれなんかゴミ入ってるから嫌」
母「こしあんも売ってた」
私「こんな工場で作られたようなちゃんとしたのは違う。私が食べたいのは、やっすいパックに入ったどこのおばちゃんが作ったんかわからんようなつきたての餅」

母「わからん」

 

 

弟「書院造って何?」
私「えっ和室の形式みたいな…?知らんけど。なんで?」
弟「よっこら書院造っていうギャグを思いついたんだけど、書院造の全貌をつかんでないと出来ん」

私「なんやねんお前」

 

 

父「順調に行けば明日は木曜日やなぁ」

順調に行かなくても木曜日

 

 

私「……」
母「なによ」
私「一体前世でどんな過ちを犯したらそんな腹になるんかなぁって」
父「あやまちwwwwwwwwww」
私「その腹にはカルマが溜まってるんやね」
父「カルマwwwwwwwwww」

オカンわしが物心ついた時からずっとダイエットしてる

 

 

 

 

おわります。順調に行けば明日は火曜日ですね。

くじ引きが好きです。

くじ運が悪い。とにかく悪い。

夜市のくじ引きでは毎回ゴミがあたる。ビンゴ大会では毎回何も当たらない。当たったとしてももれなくゴミ。

 

とてもつらい。

 

でもくじ引きは好きだ。もしかしたら、もしかしたら普段運がない分、今回だけは神様が辺りを引かせてくれるかもしれない。だから毎回、くじ引きをしてしまう。そしてゴミが当たる。

 

今年の正月、家族でイオンにいった。クソ田舎だからイオン以外に行くところがない。

 

館内に、謎の行列ができていた。何に並んでいるのかは全くわからない。なのにミーハーな母上が、興味を示した。そしてその辺に並んでいた知らない人に、何の列ですかと質問していた。そのコミュ力を分けて欲しい。

 

聞けば、商品券がもらえるくじ引きに並んでいると言う。一回千円。外れだと千円分の商品券。2等だと3千円分。1等だと5千円分になるらしい。そりゃ並ぶわ。わたしと母、弟でさっそく並んだ。

 

限定500人だという。行列にはもう何人いるのかわからない。ふと後ろを見ると、最後尾にいたはずなのに、後ろにも行列ができていた。たぶんこの中の半分くらいは、これが何の列なのかわかっていない。

 

警備員らしき人が、500人までですと叫んでいる。しかしその場にいる全員が、自分はその中に入っているとなぜか確信して並び続けている。

 

これもう1000人くらいいるんじゃないか。そう思う頃になって、やっと整理券が配られ始めた。適当な紙に手書きで書かれた数字が虚しい。わたしは83だった。

 

前の方から、からんからんという音が聞こえる。あたりが出たのだ。わたしの番になるまで、果たしてあたりは残っているのだろうか。

 

残っていた。まずはは母がひく。はずれ。くじ運がいい母にしてはめずらしい。

次にわたしが引く。あたった。

 

えっ

 

あたった。からんからんがわたしに降ってきた。そしてくじ引きが終わった。わたしのが最後の当たりくじだったらしい。真後ろに並んでいた、知らないおばあちゃんの絶望した顔が忘れられない。

 

店内にくじ引きが終了のアナウンスが響く。わたしの後ろにいた何百という人たちが解散して行く。さぞ無念だろう。せっかく並んだのに、それはそれは無念だろう。新年早々、人から恨みを買ってしまった。新年早々、他人に不快感を与えてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やったー!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

おわります。ちなみにくじ引きは親の金でやったので、商品券は親に返しました。